コラム001 DXレポート2の振り返り

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Tipsコラム001DXレポート2の振り返り

こんにちは!!Apachanです。今回はDXレポート2の一部を紹介します。
DXレポート2は「2025年の崖」で話題になったDXレポートの続編となります。
昨年末に公開となったばかりで、RPAやSaaS導入などDX全般に関わる方であれば知っておいても損はないでしょう。

目次
・DXレポート
・2025年の崖とは?
・DXとは?
・レガシーシステムの問題
・DXレポート2の公開
・DXの現状と課題
・コロナ禍の影響
・企業が取り組むべきアクション
・DX推進に向けた短期的対応
・DX推進に向けた長期的対応
まとめ

・DXレポート

DXレポートは、2018年9月7日に経済産業省より公開されたDX推進に関する現状と課題をまとめたものです。
正しくは「
DX(デジタルトランスフォーメーション)レポート ~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~」という名前になります。現在も経済産業省のホームページよりレポートの内容は確認できます。以下リンクを参考にしてください。
本文は非常に長いので、サマリー→簡易版→本文の順で確認すると良いかも知れません。
 

DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~

・2025年の崖とは?

DXレポートの正式名称の中にも含まれる「2025年の崖」が有名です。
内容はDX推進の重要性が強調されており、2025年までにDXが進まなかった場合は、
それ以降年間最大10兆円以上の経済損失が発生する可能性があると警告されています。

「2025年の壁」という表現も時々目にしますが、正しくは「2025年の崖」となります。

日本は2025年の崖を乗り越えることができるのか?
20205年の崖

・DXとは?

DXはデジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)の略で直訳すると「デジタル移行」といったところでしょうか。
DXレポートの中では、単にデジタルへの移行を示唆するものではなく、企業競争力強化のためにデジタル技術を活用して、
ビジネス変革や新しいビジネスモデルを創出するような提案が盛り込まれています。
要するに、DXは手段であって、目的は企業の競争力強化ということになります。
その中でDX推進の大きな障壁となるのが、レガシーシステムとなります。

・レガシーシステムの問題

レガシーシステムは、企業内の既存の基幹システムを指します。
多くの企業の既存システムが、複雑化や老朽化、ブラックボックス化という問題を抱えています。
システムを維持するために、多くのコストや人的リソースが費やされることで、
新しいデジタル技術への投資ができなくなり、企業のグローバル水準での競争力が低下していくという課題があります。
DXレポートの中で2025年時点で21年以上稼働しているレガシーシステムが全体の6割程度を占めるとの予測もあります。
ブラックボックス化の原因は、SIerやベンダー企業主体のシステム導入や有識者の属人化問題などとされています。

レガシーシステムの問題
※ 出典:DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~

・DXレポート2の公開

DXレポート登場から2年経過した2020年12月28日、経済産業省よりDXレポートの中間報告という位置付けでDXレポート2が公開されました。
DXレポート同様に長文となるため、サマリー→概要→本文の順に確認するのが良いでしょう。

DXレポート2(中間取りまとめ)

DXレポートは下記のように5章立てとなっていましますが、本ブログは1, 2, 3章までの内容となります。
続きが気になる方は原文を確認してみてください。

  1. 検討の背景と議論のスコープ
  2. DXの現状認識とコロナ禍によって表出したDXの本質
  3. 企業の経営・戦略の変革の方向性
  4. 政府の政策の方向性
  5. 今後の検討の方向性

・DXの現状と課題

2020年10月独立行政法人情報処理推進機構(IPA)がDX推進指標の自己診断結果を収集して500社の取り組み状況を分析しました。

・9割以上がDXに全く取り組めていない、もしくは散発的な取り組み実施
・DXをレガシーシステム刷新、もしくは現時点で競争優位であればDX不要と誤解
→先行企業と一般的な企業の隔たりが大きくDX推進に課題を残す状況

※ コロナ禍の影響でDXが進んでいるといった推測もあったが全体的に顕著な改善はなかった

DX推進の課題
※ 出典:DXレポート2(中間取りまとめ)

・コロナ禍の影響

2020年のコロナ禍はDX推進の転換期になったとされています。
一例として緊急事態宣言を受けてテレワークの導入比率が約2.6倍と大幅増加した事例が紹介されています。
これは経営トップ自らのコミットメントがあったことで速やかに達成できたとされています。
事業環境の変化に迅速に適用すること、その中ではITシステムのみならず企業文化(固定観念)を変革することの重要性が明らかになった。

すなわち、経営トップ自らが事業環境の変化に柔軟に対応すべくITシステムのみならず、企業文化も変革するリーダーシップがDXの成功を持たらということです。
また、同時にコロナ禍の環境変化は一過性の特殊事象ではなく、常に起こりうる事業環境の変化ともされています。

・企業が取り組むべきアクション

従業員・顧客の安全を守ることを大前提として、市販製品やサービス活用の検討が示唆されています。
企業文化の変革する上でのファーストステップとなるため、こういったツールの迅速な全社的な導入には経営トップのリーダーシップが重要です。
ここはコロナ禍で得たDXの本質があっての提案ではないでしょうか。

企業アクション
※ 出典:DXレポート2(中間取りまとめ)

DX推進に向けた短期的対応 

まずは内部の組織をしっかりと固めるために経営トップ主導で事業部門、IT部門と方向性の目線を合わせることから開始といったところでしょうか。
その上で従来のプロセスを一新するためのデジタル活用が非常に重要になってきます。RPAやAI-OCRなどの導入がイメージしやすいのではないでしょうか。
そして、DX推進の進捗共有や評価は継続的に行うことが重要といったところでしょうか。
意外にも最後の評価が欠けている企業が多いのではないかと思います。

短期対応策 主な取り組み
DX推進体制の整備 ・経営層・事業部門・IT部門の協働とビジネス変革への共通理解
・CIO/CDXOの役割や権限を明確化。DX推進のため経営トップとデジタル戦略の対応な会話
・地理的に離れた人材や社外の人材など遠隔でのコラボレーションを可能にするインフラ整備
DX戦略の策定 ・デジタル前提の業務プロセスへの変革
・業務プロセスの継続的な見直し ※ 見直しサイクルがなければ陳腐化、及びレガシー化の懸念
・業務プロセス見直しの際は、顧客
価値創出の視点が重要
DX推進状況の把握 ・DX推進進捗の関係者間共有
・次の段階に進めるためのアクションの明確化
・DX推進指標による定期診断実施

※ 該当箇所の資料は以下の通りです。

DX推進に向けた短期的対応①

DX推進に向けた短期的対応②
※ 出典:DXレポート2(中間取りまとめ)

DX推進に向けた長期的対応 

長期的な課題の真っ先にくるのは、DX人材の確保ではないでしょうか。
下表の通りコロナ禍や少子高齢化など直面する社会問題を考慮して柔軟に人事制度や労働環境を構築してDX人材を育成していく必要になるでしょう。
また、業務プロセスを標準化してSaaSなど活用していくことは当然必要なことだと感じますが、政府の提言として競合他社と強調領域を形成してIT投資効率を高めるといった内容はかなり踏み込んだ印象もあります。

長期対策案 主な取り組み
デジタルプラットフォームの形成  ・経営トップ主導による業務プロセスの標準化
・SaaSやパッケージソフトを活用したIT投資予算や人材投入の抑制

・IT投資効率向上のため競合他社含めて協調領域形成、及び共通プラットフォーム化検討
産業変革のさらなる加速  ・従来型の受発注ではなくアジャイルな開発体制を社内に構築、小規模開発を繰り返すこと
・ベンダー企業はユーザー企業にアジャイルな考え方を浸透させて内製開発を支援
・ベンダー企業はユーザー企業の事業を深く理解、新たなビジネスモデルをともに検討する関係に
DX人材の確保  ・テレワーク環境下で機能しやすいジョブ型の雇用への移行を検討
・仕事の範囲、役割、責任を明確して、成果の評価基準を設定
・新しい価値を現実のITシステムへと落とし込む技術者の役割が必要
・技術者のスキルの陳腐化はDXの足かせとなることもあること
・専門性を評価する仕組みや継続的に学習する仕組みの構築
・副業・兼業を許容して、人材流動や、多様な価値観を触れる環境を構築

※ 該当箇所の資料は以下の通りです。

DX推進に向けた中長期的対応①

DX推進に向けた中長期的対応②

DX推進に向けた中長期的対応③

DX推進に向けた中長期的対応④

DX推進に向けた中長期的対応⑤
※ 出典:DXレポート2(中間取りまとめ)

まとめ

経済産業省などの官公庁が発行するレポートは全体感を知る上で非常に重要なものとなります。
レポートの内容が自社に当てはまるかどうか、是非振り返りの機会としていただけると幸いです。

Apachan

約10年間の代理店営業を経験した後にITに興味を持ちプログラミングを習得。営業で培ったコミュニケーション力を活かしつつ...業務現場からボトルネックとなる問題点を発見して、ITを活用した改善に日々取り組み中。
RPAに限らず、SaaSやGAS, VBA活用など環境にあった改善を心がけています。個人的にGASが好きです。
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