こんにちは!!Apachanです。
今回はPower Automate DesktopからSlackにメッセージを送るフローを作成します。
リモートワーク増加が影響しているのかも知れませんが、ここ最近Slackに限らずChatworkやTeamsなどのチャットツールの導入が増えてきています。
業務上のRPAとの連携も数多く考えられますので、基本的な利用方法は知っておくと何処かで役に立つこともあるでしょう。
目次
1.前提
– 作成するフロー
– 想定利用シーン
– 事前準備
– 身につくこと
2.Slack Webhookについて
– Webhookとは?
– Webhook発行パターン
– Webhook発行手順
3.Power Automate DesktopからSlackにメッセージを送る
– Web サービスを呼び出します
– パラメーターの設定
– 実行結果
4.まとめ
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前提
作成するフロー
今回はPower Automate DesktopからHTTPリクエストを使ってSlackにメッセージを送付するフローを作成します。
Slackにメッセージを送信する場合、手作業では当然ブラウザやソフトウェアを起動する必要がありますが、HTTPリクエストを利用する場合はブラウザやソフトウェアを起動する必要は一切ありません。
また、一般的にはHTTPリクエストを利用する場合の方がフロー実行途中でエラーが少ないとされています。
Slackに限らずSaaSサービスは全般的にこのような機能を提供されています。
想定利用シーン
指定したチャンネルに様々な情報をメール同様の送信することができるため、定型連絡を自動化したり、RPAの実行結果をSlackに送付することもできます。
事前準備
Power Automate Desktopで新規フローが作成できるように準備してください。
メッセージ送信先のSlackのワークスペースやチャンネルは既にある前提で進めさせていただきます。
必要であれば無償で利用可能なフリープランのSlackワークスペースをご用意ください。
また、メッセージの送信先として必要なSlackにて取得するWebhook URLについては、次の節で詳しく説明させていただきます。
Webhook URLの取得方法を知っている方は「Slack Webhookについて」はスキップしていただいてOKです。
身につくこと
Power Automate Desktopのアクションを利用してHTTPリクエストを送る処理が理解できます。
今回はSlackを具体例として進めていきますが、Slack以外のSaaSサービスでも同様の仕組みを活用できる可能性があります。
Slack Webhookについて
Webhookとは?
ざっくりとしたイメージですが、WebhookはSlackの特定チャンネルにメッセージを送信するための仕組みをさします。
メッセージを送付する際はPOST形式のHTTPリクエストと決められており、リクエスト先のURLはWebhook URLと呼ばれます。
この当たりを深堀りすると話が大きく逸れる可能性があるため何となくのイメージを持っていただければ問題ありません!
Webhookの理解は以下Qiitaの記事など参考にしてください。

Webhook発行パターン
Webhookを発行する方法は下表の通り3パターンあります。
パターン | 利用可能プラン | 説明 |
---|---|---|
カスタムインテグレーション | フリープラン | かんたんに設定できるが現在Slack者の方から非推奨とされています。 |
SlackApp | フリープラン | やや複雑だがフリープランの推奨はSlackAppの一択となります。 |
ワークフロービルダー | スタンダード以上 | 最もかんたんに発行できるがフリープランでは利用できません。 |
1つ目のカスタムインテグレーションは下図のように非推奨とされており、2つ目のSlackAppが推奨とされています。
また、3つ目のワークフロービルダーはかんたんに設定できるものの、有償のスタンダード以上のプランのみ利用に限定されます。
したがって、今回は2つ目のSlackAppにて説明を進めさせていただきます。
Webhook発行手順
① Slackアプリをつくる
以下リンクよりSlackアプリを作成します。
「Create New App」を押下してください。
以下手順で設定を進めてください。
※ From an app manifestは現時点BETAなので説明から除外します。
アプリ名と対象ワークスペースを選択して「Create App」を押下してください。
② Slackの特定チャンネルに連携するWebhookを発行
「Create App」押下後に下図のような画面が表示されます。
下方向へスクロールしてください。
「Incoming Webhooks」を押下してください。
「Active Incoming Webhooks」を off → onへ切り替えてください。
下方向へスクロールしてください。
「Add New Webhook to Workspace」を押下してください。
いよいよWebhook URLの発行となります。
メッセージを投稿するSlackのチャンネルを選択してください。
適当なチャンネルを事前に作成お願いします。
処理に成功すると「Success!」のメッセージが画面上部に表示されます。
下方向へスクロールして、先ほど追加したWebhook URLをコピーして保存しておいてください。
このURLはPower Automate Desktopでフローを作成する際に必要となります。
以下形式のURLとなります。
認識の相違がないように念のためご確認ください。
https://hooks.slack.com/services/XXXXXXXXX/XXXXXXXXXXX/XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX
③ アプリ情報変更
必須ではありませんが、アプリの表示情報を変更することもできます。
左ペインの「Basic Information」を押下してください。
下方向へスクロールするとアプリの表示上の情報を変更することができます。
■ 変更可能情報
① アプリ名
② アプリの説明
③ アプリアイコン
④ 背景色
今回は下図のように情報を変更して保存します。
Power Automate DesktopからSlackにメッセージを送る
Web サービスを呼び出します
Webhook URLが取得できたのでフローを作成していきます。
適当なフロー名を付けて「作成」を押下します。
今回利用するアクションは「Web サービスを呼び出します」のみです。
前提の通り、今回はHTTPリクエストを利用してSlackにメッセージを送ります。
ブラウザやソフトウェアを起動する必要もなければ、メッセージをテキストボックスに設定して送信する必要もありません。
パラメーターの設定
以下のようにパラメーターを設定してください。
下図の①~④に対応した説明となります。
意味が分からなくともテンプレ的に流用することは可能です。
① URL
先ほど取得したWebhook URLをこちらへ入力してください。
② メソッド
POSTを設定してください。
POSTとGETはよく目にするので、イメージだけおさえておいた方がいいでしょう。
GET ・・・ インターネット検索、サーフィンなどサーバーに対してコンテンツを要求するリクエスト
POST ・・・ Slackメッセージ送付、フォーム送信などサーバーDBに対して何らかの変更があるリクエスト
細かい違いは以下リンクを参考にしてください。

③ 受け入れる/コンテンツタイプ
JSON形式で設定するため以下のように設定してください。
application/json
④ 要求本文
以下のような形式でメッセージは設定してください。
プログラミング経験者が馴染みがありますが、未経験者は一旦お作法ということで割り切った方が良いでしょう。
{“text”: “Slackに送りたいメッセージはこちらに設定”}
私自身数時間ハマったポイントです。
「詳細」の中の設定で、要求本文がエンコードされる仕様となっていましたのでエラーの解消に苦慮しました。
要求本文のエンコードは on→offに変更してください。
パラメーターの設定が終わったら、忘れずに保存もしてください!
実行結果
正常にアクションが反映したのでフローを実行させます。
処理自体はおそらく1秒程度で完了します。
フロー変数を見ると情報が更新されていますので確認してみてください。
ステータスコード200というのは、リクエストに成功したことを意味します。
ステータスコードの詳細は以下リンクを確認してください。
Slackを確認すると、無事に設定したメッセージが送付されていました。
まとめ
Slackへのメッセージ送信を自動化することは業務上よくあります。
工程で言うとメインの処理が終わった後のラストワンマイルといったところでしょうか。
しかし、インターネット上でPower Automate Desktopを使ったSlackへのメッセージ送信の情報ソースは多くはありません。
今回のPower Automate DesktopからSlackへのメッセージ送信が読者の皆さまの参考になれば幸いです。